生前から母からの手紙は、だいたいいつも自分の今の状況に始まって、
締めくくりはこれからの私たち子どもの生き方に関することが多かったように思います。
手紙をもらった当時、二十歳そこそこだった自分にはなんだかよくわからず
亡くなるほんの少し前まで、複雑な関係だった母とはかなり心の距離を取っていたりもして、
親不孝者の私は返事もロクに返さなかったのですが…。
母が亡くなって5年目で、昔の手紙や、古い携帯の留守電に残ったメッセージを聞き返す事が私はようやくできるようになりました。
昔にもらっていた、あまり多くはない言葉の一つひとつが
いつも今の自分に語りかけてくれているようで
これが母の願いなんだ、と
母の願いは今も、私達が生きるどんなときにも、どんなところにもあるのだと改めて感じています。
その時は、生きるみちしるべに。
たった今は、答え合わせと
またこれからのみちしるべに。
すくすくと明るく、人生を楽しむよ。