みんながいる。大丈夫。

Dance with Grief

2014年に母をじしで亡くしてからの、娘の話。実験だったり、冒険だったり、メンタルが強かったり激よわだったりする話。

哀しみの最中にも歌う自死遺族。

歌った。

 

母が亡くなった日。

 

母と対面し

実家の洗面台の鏡の前で手を洗いながら、

 

子どもの頃聴いていた明るいアニメソングを、私は小さく歌った。

 

後ろで順番を待っていた叔父が、驚いた顔をしたのがわかった。

 

タオルで手を拭く。

 

短い歌がサビに入った頃

叔父が黙って手を洗い始めた。

 

叔父は何も言わなかったけど、

 

その後母が亡くなった部屋で母の通帳やらを兄、叔父、私で探すとき、

 

他にも何かを探すとき、

 

いつも音楽をかけてくれた。

 

もしかしたら、叔父もそうしたかったのかもしれない。

 

 

心臓が張り裂けそうな時間、

 

恐怖やもう何かよくわからない感情と立ち向かわないといけない時間、

 

私はいつもリズムも勇気も失う。

 

でも、歌がそっと助けてくれることは多い。

 

 

心拍数に近いリズムだったり

 

音圧。歌詞。曲調。浮かぶイメージ、人、色々、

 

歌なら、私でも心地よいかどうかをすぐに感じることができる。

 

多分なんらかの脳細胞レベルで、無理にでも。

 

 

こんな時に歌を歌うなんて、とか

 

どうかしている、とか

 

叔父はそんなことを言うような人じゃない。

 

わかってくれて、嬉しかった。

 

 

そんなことを思い返した日

 

月がもう、

 

秋の様に優しかった。